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「メガネは、こだわりを楽しめる必需品」

声優・俳優 津田健次郎

ちょっと前なら時計がそんな立ち位置でしたけど、今はスマホで時間がわかる。メガネはずっと必需品であり続けながら、型や色合いとかこだわり始めるととても楽しいし、自分を表現できる。そんな存在だと思います。

声優が担う役割はとても重い。

誌面上に繰り広げられる漫画。そこに登場するキャラクターたちは、愛読者ひとり一人の感性と想像力によってそれぞれに命を吹き込まれ、立ち上がり、動いていく。熱心な読者であるほど、この感情移入は強烈なものとなるわけだから、その漫画がアニメーションとなった時に発せられる声の重要性は極めて高い。

なにしろ、すべての読者が自分なりに育てたキャラクター像を持っている。その期待を裏切ることなく、あるいは裏切りながらも、納得してもらって、あるいは納得してもらわなくとも、とにかくひとつの作品として楽しんでもらわなければならない。声優がになう役割はとても複雑でとても重い。

すべての始まりは、テレビアニメ『H2』のオーディション。

津田さんは、声優というかなりしんどそうなこの仕事と向き合って、もう20年以上になる。元々は映画大好き少年でそれはオタクの域にまで達し、やがて表現者になりたいという衝動を抑えきれずに演劇青年となる。舞台の面白さにのめり込みつつ、アルバイトに明け暮れていたある日に舞い込んできたのが人気野球漫画『H2』のテレビアニメ化にともなう声優としての仕事。津田さんはそのオーディションに合格し、主人公の相棒のキャッチャー・野田敦役を得た。これが1995年の作品で、翌年から徐々にオファーが増え始め、キャリアを重ねるほどに津田さんの存在感は高まっていった。

これまでの代表作は、『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』海馬瀬人、『テニスの王子様』乾貞治、『ゴールデンカムイ』尾形百之助、『呪術廻戦』七海建人など数多く、2020年度の声優アワード主演男優賞を受賞した。

声の仕事も芝居。全身でその役を演じている。

津田さんにとって、声優としての歓びや醍醐味のようなものは何だろう。

「自分の中でその芝居がうまくいった瞬間みたいな。その時には何ものにも代え難い歓びのようなものがやはりありますよね。それともうひとつは、どんなに掘り下げていってもキリが無い、答えがない、そこが苦しみであり、しんどさであり、同時に面白みでもあります」。

それは俳優としてのお気持ちですか?

「いえいえ、声優も同じです。声の仕事も芝居なんです。ただ声をあてているのではなく、むしろ芝居のほうがメインで全身でその役を演じているんです」。

かけはずし無しが、とても快適。

津田さんがきょう選んだメガネは、かけはずし無しで焦点の切り替えができる跳ね上げモデル。遠くを見るときはそのままで、新聞や本を読んだりする時には、ワンタッチで跳ね上げればはずす手間がなく、とても快適。

「少し遠視が入ってきていますから確かにフリップ式は便利ですよね。ちょっと緑がかったフレームの色合いが柔らかくていいのと、ラウンドした型も好きですね。メガネは普段からかけてます。何本か持ってますけど、ほぼ毎日いつものヤツをかけてしまうので、ゆるくなったりしがちで。同じものを買おうとするともう廃番になっていたり。本当は2~3本を使い回したほうがいいんですよね。仕事ではメガネって表現のツールのひとつですから、例えば銀縁と黒いセルフレームではそれをかけている人物のイメージは明らかに違ってきますよね」。

僕にとってメガネは、こだわりを楽しめる必需品。

津田さんにとって、メガネとはどんな存在なのだろう。

「あれこれと、こだわることを楽しめる必需品みたいなものですかね。フレームの型とか色合い、レンズにもカラーがいろいろあるし。例えばちょっと前なら時計もそういう立ち位置でしたよね。でも近頃はスマホで時間が分かるから時計は必需品ではなくなった。メガネはずっと必需品であり続けていて、こだわり始めればとても楽しいし、自分を表現できる。そんな存在だと思いますね」。

夢見る行き先は南極。

12月27日から公開となる映画『ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い』ではウルフ役を、年が明けて2月14日からは公開劇場版『トリリオンゲーム』巧刀役を演じる。またラジオパーソナリティとして、自身の番組『津田健次郎 SPEA/KING』を持ち、幅広い分野での活躍が続く津田さん。その忙しさの中で、休暇が取れたらと夢に見る逃避行の行き先は、南極。

「まだ知らない場所は山ほどありますけど、是非一度行ってみたいのは南極です。風邪の菌さえ生きられないハードな土地というものを、何もせず、ただぼーっと見つめていたいです」。

つだけんじろう◎声優・俳優

1971年生まれ。大阪府出身。1995年に声優デビュー。『ゴールデンカムイ』、『呪術廻戦』、『チェンソーマン』など人気アニメ作品の主要キャラクターを多く演じるほか、洋画吹替、ナレーションなど声の仕事でキャリアを重ねる。近年は俳優としてドラマ、映画の仕事も多く、2024年にはドラマ「グレイトギフト」、「西園寺さんは家事をしない」に出演。また2023年には、52歳にして撮り下ろし写真集『ささやき』(講談社)を刊行、話題に。ラジオ番組「津田健次郎 SPEA/KING」(TokyoFM)は毎週日曜日12:00~放送中。

着用モデル:ZO241010_63A1  ¥ 15,500(セットレンズ代込)

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